中学・高校の教育現場から「漢文」を死守しよう!

私は中高一貫男子校で日々生徒たちに漢文を教えています。幸いなことに中学、高校両方で教壇に立っています。
中学部の生徒は「漢文は面白い」「漢文は楽しい」「三国志を漢文で読みたい」という積極的な意見が多く出てきます。これは導入期に訓点の約束は教えますが、音読を中心にした授業を展開しているからだと思われます。指導要領にある「漢文に親しむ」の中にある「音読教育」の効果でもあると思います。
一方、来年度から高校過程では「言語文化」の中に漢文が移行されました。旧課程における「国語総合」の古典の授業の扱い方はどのようなものだったでしょうか。本当の意味での「漢文」の授業が行われていましたか『「漢文」を試験範囲から外しましょう』、とか『「カリキュラムが遅れてしまい、漢文を扱う時間がなった」』、という状況はなかったですか。
また、教育現場に漢文を生徒に伝授する教員がいるのも事実ですし、公立中学校の先生の中には大学で「漢文」の授業を履修しなかったという先生もいると聞いています。
生徒側からすると、「共通テストの中に漢文があるから仕方なく勉強する」とか「慶應には漢文がないから受験しよう」「早稲田のほとんどの学部で漢文が課されるから真剣に授業を受けよう」という漢文に対する消極的な発言が多々聞かれます。
私は教壇に立ちながら、日本文化に根付いてきた「漢文」を何としても教育の現場から守っていきたいと思っています。一時期騒がれた「アクテイブラーニング」も漢文教育の場では行われていたはずです。また「多様性」なる教育観も漢文を通してしっかり身に着けることは可能です。みなさん、一緒に「漢文教育」について考えていきませんか?